Shun Kobayashi Blog

〜「地域づくり」×「組織づくり」×「キャリアづくり」を考える〜

ライフシフト①:「ローカルキャリア」から考えるライフシフト

本格的なブログ一本目としては、何かと話題だったので今年の頭に呼んだ「ライフシフト」について書いてみたいと思います。自分にとってはすごく刺激的で、ずっと色々書いてみたいなと思っていました。
 
ざっくり内容を要約すると、
  • 人間の寿命は歳を重ねるごとに伸びており、例えば2007年に生まれた子供の半分は107歳まで生きる可能性が高い
  • 寿命の延長に伴い、これまで普通であった「3ステージ制」の人生は役に立たなくなる(3ステージ=就学→就労→リタイア)
  • これからキャリアを創っていく40代以下の世代は、「マルチステージ制」に対応していかねばならない
  •  そのために、キャリアチェンジや自身の再創造(リクリエーション)が必要になってくる 
ということ。
 
もっと詳しく知りたい方は、本を読むか、検索すれば他に要約されている方がたくさんいると思いますので、そちらをご参照ください。
 
このライフシフトの考え方を、「地域で働く=ローカルキャリアを創っていく人」に当てはめるとどうなるのか、考えていきたいと思います。
 
 
ライフシフトのポイントとなる4つの資産
人生100年時代を生き抜くために、作者のリンダ・グラットンは本の中で「4つの資産」を自らの中に蓄え、また必要に応じて使っていくことが大切だと書いています。4つの資産とは以下の通りです。
 
①有形資産
いわゆるお金や不動産、土地など、金銭的な資産に換算されるものです。3ステージ制の人生の場合、この有形資産の運用のみが大切だとされてきました。すなわち、就労期にどれだけ蓄えて、その後のリタイア期に計画的に使っていくか、ということです。
 
これらを総じて有形資産とした上で、マルチステージ制においては以下の「3つの無形資産」の重要性が高まると指摘しています。
 
②生産性資産
生産性資産とは、仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産のことです。専門的なスキルや知識といった個人の努力で獲得できるものから、チームや仲間とのつながり、周りからの評判なども生産性資産に大別されています。
 
③活力資産
これはずばり健康に関わる資産です。健康な肉体を維持するためにしっかりと運動をする、バランスの取れた食事をするなどが含まれます。また、精神面での健康も含まれており、良好な友人関係やパートナーとの関係なども含まれます。
 
④変身資産
4つ目は聞き慣れない資産ですが、自らの環境を変えていこうと考えたときに活きる人間関係や、考え方といっていいでしょう。世にいうソーシャルキャピタルなどが含まれるかと思います。例えば転職を考えたり、これまでの職場を離れて独立をしたりと、環境を変えていこうと考えたときに活きる人間関係や、新しいものを受け入れる柔軟さなどがこの資産だと言われています。
 
これがマルチステージ制の人生において必要な4つの資産であり、これらを自身で蓄えたり、また使っていきながら自分の人生を移行させていくことが大切とのことです。これら4つは一概にすべてが時間とともに増えるものではなく、例えば生産性資産を向上させるために時間とお金を投資すれば、有形資産と変身資産は減っていく、というように、それぞれが時間やフェーズに合わせて増減していきます。
 
 
ローカルキャリアにおいて特に注目すべき資産
では、この4つの資産という観点で、現在の日本の地域において、僕ら世代が気をつける点はどういったところでしょうか。
 
著者が言うように、4つの資産をバランスよくシフトさせていくことは共通して大事なことですが、その中でも僕個人が大切だと思うのが「④変身資産」への投資です。
 
地域の働き方を取り巻く現状としては、賃金が安い、付加価値がつきにくい仕事が多い、という点が挙げられます。その点においては、生産性資産を向上し、その構造を変えていける人材がとても重要になってきます。しかし、生産性資産の向上は、業務に修練し、目の前のことにチャレンジし続ける姿勢があれば、今の環境の中で構築していくことは十分可能です。
 
一方で、しっかりと意識を向けないと蓄えられないのが、変身資産です。自らのキャリアを別の方向に向けたいと思ったときや、独立起業を考える際に変身資産は有益ですが、地域内において必ずしも求める関係性があるとは限りません。普段から意識的に培おうとしないと、日々の業務でなかなか得られないものになっています。
 
自分自身の経験としても、大学時代に色々な人とのつながりをもらえたことで、いざ気仙沼に来て色々なチャレンジをする上でも、「まぁ最悪なんにもなくなっても、誰かに拾ってもらえるだろう」と思えていて、結果的にのびのび挑戦出来ていたと思います。
 
 
これから地域でキャリアを創る人へ
これからますます日本という国にとって、地域の重要性は高まっていくでしょう。そしてそこには死ぬほどワクワクする楽しいことや、興奮して夜も寝れないようなチャレンジが待っています。その現場に飛び込むことは、本当に楽しいです。
 
でも、だからこそただ闇雲に頑張るだけでなく、自らのやりたいことを知り、そこに対してアドバイスをくれる外部のメンターや師匠、仲間を持っていることはすごく重要だと思います。
 
今回はキャリアの観点からライフシフトを考えてみました。次回は別の切り口でも書いてみたいと思います。しばらく続きます。
 
※このブログに書いていくことは、完全に私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。