Shun Kobayashi Blog

〜「地域づくり」×「組織づくり」×「キャリアづくり」を考える〜

ライフシフト④:「組織づくり」から考えるライフシフト 〜実践編〜

ライフシフトについて書くのも、おそらく今回が最後になると思います。前回のブログで、「組織づくり」の観点から考えてみましたが、それを更に実践的に進めていくために、思いつくことを書いていきたいと思います。
 
今回整理するのは、主に「準備期」に行っていたらいい要素について並べてみました。

 

「未来のパートナー」を迎える準備
まずは、これから来るであろうマルチステージ的な働き方をする人たちと、スムーズに仕事をしていく上で、今から取り組んでおいたほうがいいことを3つ上げてみました。
 
①副業・兼業者とプロジェクトを行ってみる
まず一番手っ取り早いのは、実際に副業・兼業で仕事をしたい方との仕事に挑戦してみることでしょう。昨今はフリーランスとして働く方以外にも、都市部の大企業などに勤めている人でも、副業を始める人が増えてきています。そういった方と一緒に、社内にある課題や新しい挑戦をプロジェクトとして切り出し、一緒に解決していくのがいいと思います。
 
最近では、その副業・兼業の流れを促進すべく、色々なマッチングサイトが出てきています。代表的なものは以下です。
これらのサイトに掲載してみて、人を募集してみるのがいいでしょう。
 
②実践型インターンシップを行ってみる
2つ目は上記の副業・兼業と同じような形ですが、こちらは大学生向けのインターンシッププログラムです。インターンというと、昨今は就活のため、というイメージがありますが、実践型インターンでは、企業が持つ課題をインターン生と一緒に解決することを通して、学生にとっては研修や学びの機会、企業にとっては自社の課題解決につながります。
 
気仙沼でも2015年から実践型インターンシッププログラムを運営し、これまでのべ20以上のプロジェクトが生まれ、40名以上の大学生が参加してくれました(インターンに関しては、別途ゆっくり書いていきたいと思います)。
 
③他の企業さんと組織運営について話してみる
最後は少し毛色が違いますが、結構効果があると思われるものです。自社の組織運営方法について、時間をかけてじっくり考えたり、議論したりする時間は意外とないものです。ましてや、他の組織の方とそういった話をする時間が取れることも稀でしょう。そこで意図的に時間を取り、情報交換をしたり、お互いの相談に乗り合うのもいいかと思います。
 
その時間を通して思わぬ発見があったり、場合によっては組織横断的に一緒に取り組むテーマなども出てくるかもしれません。
 
以上3つが、マルチステージ的な働き方をする人と一緒に仕事をする上での実践アイディアでした。
 
 
「今いる社員さん」と一緒に行える準備
もう一つの大切な要素である、「今一緒に働いている社員さん」に対して行なうことです。これも2個ほど上げてみました。
 
①社員さんとの定期面談会の実施
まずは初めに作れるといいのが、「社員さんとの1on1ミーティング」の実施です。社員さんそれぞれが、現在の仕事に対して何を感じてるのか、最近の変化や変調はないか、ということについて話を聞く時間を設けられるといいでしょう。頻度は「1ヶ月に1回、30〜60分程度」が目安だと言われています。
 
この1on1ミーティングにおいて大切なこととして、「シリコンバレー式最強の育て方」という本に以下のように書かれています。
 
組織の課題とは例えば、人が育たない、 優秀な人が辞めてしまう、チームに活気がない、といった「人」に関することで、問題となっている事象は多岐にわたります。しかし、これらの問題を突き詰めていくと、実は根本的な原因はたった1つなのです。それは「個人に焦点を当てた対話の不足」 です。
シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

 

 普段の仕事において、業務の遂行や課題解決についての話をすることは多いと思いますが、「働いている人の個人的なことに焦点を当てた対話の時間」は、思ったより少なかったりします。そういった時間を取ることだけでも、組織としての底力が上がっていきます。

 
②ひとりひとりのビジョンメイキングを支援する
2つ目としては、今一緒に働いている社員さんが、これからどんな自分になっていきたいのかを考える時間を提供するのがいいでしょう。これは自社で行ってもいいですし、社外にある機会に参加を促すのもいいでしょう。社内で行なう場合は、専門のファシリテーターを雇うのも効果的です。
 
マルチステージ制に移行していく働き方の中で、それは一緒に働いている社員さんにとっても例外でありません。今のうちからそういったことを考える風土を、社内の中に創っておくことが大切だと考えられます。
 
 
人がいきいきする職場に、さらに人が集まる
以上が組織づくりの観点で実践できるであろうことをまとめた一例です。まだまだ他にもたくさんあると思いますので、今後も追記していきたいと思います。これからの変化における大切なポイントは、「よい人材を輩出している企業に、よい人が集まる」ということだと思います。
 
働く人それぞれがステージを変えながら、職場を定期的に「周遊するように」変えていく中では、まず行きたいと思えること、そしてそこで働いている時間の価値がより高いと思えるところに、人が集まってくるであろうと思います。
 
なかなか現実的には難しいことが多いかと思いますが、自分の周りも含めて一つ一つ実践していきたいと思います。
 
※このブログに書いていくことは、完全に私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。