Shun Kobayashi Blog

〜「地域づくり」×「組織づくり」×「キャリアづくり」を考える〜

地域に求められる「機能特化型事業」

最近気仙沼の経営者の方とお話をしていて、よく話題にあがることがあります。それは、気仙沼の中に産業として「色々な『機能』に特化した会社が生まれてくれるといいよね」ということです。
 
具体的にいうと、いわゆる士業と言われる法務や労務の専門家に始まり、デザインや広報など会社経営において大切な機能を代行してくれるサービスがもっと地域内に増えたらよい、という声です(「機能型」と書いていますが、もう少し一般的な言葉があるような気がしています)。

 

具体的にどういった機能が求められているのか、備忘がてら書いておきたいと思います。

 
 
今求められている「機能型事業」
まず1つ目は、会社全体や商品・サービスなどのトータル的なブランディング支援のニーズが高まっています。震災後に、新たな事業展開を行なう気仙沼の企業さんが増えていますが、これまでの延長線上ではない分、魅せ方や発信の仕方にひと工夫、ふた工夫する必要性が出てきます。それらの専門性を持った人が伴走支援してくれることが、大きな価値になります。
 
②広報・PR
ブランディングの延長線でもありますが、日々のPRや情報発信も、一定のニーズがあると言えます。地域の企業だと、これらの企画関係や情報などは経営者の方が行っていることが多く、ちゃんとやろうとすると結構時間がかかります。そういった仕事を外注できるメリットは大きいです。
 
③組織・人事・採用
同じく外部のサービスに頼るといいのが、人事や組織づくりといった人に関することです。既存事業のテコ入れ、新規事業への展開などを行っていくにあたり、目まぐるしく変わる社内外の環境に対して経営者一人の手腕で乗り越えるのは大変なことです。一緒に働く社員さんと目線を合わせ、組織内のコミュニケーションを円滑にしていくために、外部の人材を雇うのはいい風通しになるでしょう。
 
④営業
自社商品を都内を中心とした都市部に販売している企業が多い気仙沼においては、まとまって営業代行ができる会社があることも大きなメリットがあります。それぞれが主要都市圏に営業所を持つなどは難しいので、合同で出資しあって営業さんを雇うのは価値が高いでしょう。
 
 
最後は内製化
いったん思いつく範囲では以上ですが、開拓次第でまだまだあり得ると思っています。こういった「企業を支援する事業」がより多角的に生まれることが地域の底力を上げることになりますし、都市部で専門的なスキルを培った方にとっては新しい仕事を起こすチャンスだと言えます。
 
ただ、ここでひとつ僕が大切だと思うのは、「機能型事業はそのノウハウと仕組みを会社に残すまで」が仕事であるということです。こういった機能は、最終的には一部以外自社でまかなえた方が将来的には大切だと思います。なので、専門家としてサービスを提供することに加えて、各社でどう仕組み化するか、という視点も同時に持てることがこれからの地域においては大切だと考えています。
 
※このブログに書いていくことは、完全に私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。