Shun Kobayashi Blog

〜「地域づくり」×「組織づくり」×「キャリアづくり」を考える〜

様々な「コーディネーター」という生き方

前回のブログで、コーディネーターという存在が地域づくりにおいて重要だということを書かせて頂きました。今回は、具体的にどういった立ち位置でコーディネーターという人が活動しているか、僕が知っている範囲で書いていきたいと思います。

 

コーディネーターの種類と役割
①まちづくりコーディネーター
まずはじめにご紹介するのが、まちづくり全般に関わることをテーマに活動するコーディネーターです。業務領域は多岐に渡り、まちの状況や団体の立ち位置について目指すところは変わってきます。
 
代表的な団体は、石川県七尾市で活動する株式会社御祓川さんが有名です。御祓川では「まち育て・みせ育て・ひと育て」を事業領域に、産業支援や人材育成に関する事業を行っています。
 
②創業支援コーディネーター
2つ目は地域内で新しい事業やチャレンジを行なう人を支援し、事業の立ち上げや加速についてお手伝いするコーディネーターです。起業家の思いに寄り添って、最初の応援者として色々な人との出会いをつくったり、対話の機会を設けて思いの掘り下げなどを行います。
 
この立ち位置は、岡山県西粟倉村のエーゼロ株式会社さんや、島根県雲南市NPO法人おっちラボさんが有名です。地域ごとに異なりますが、まちづくりコーディネーターと創業支援コーディネーターは同じ団体で兼ねている場合も多く、ご紹介した3社はいずれも2つの役割を担っていると言えます。
 
現在の地域づくりにおいて、新しい挑戦を生み出していくことが重要である、ということが言えるのかもしれません。
 
インターンシップコーディネーター
3つ目は、地域の企業さんに実践型インターンシップのコーディネートを行なうコーディネーターです。企業さんと一緒に課題を発見し、大学生と一緒に解決できるプロジェクトを組成し、解決に向けて取り組みます。
 
地域における実践型インターンシップコーディネートで一番有名なのは、岐阜県にあるNPO法人G-netさんです。G-netは学生インターン以外にも、社会人プロボノや副業・兼業などのコーディネートも行っています。
 
気仙沼でも僕が所属するまるオフィスにて、実践型インターンシッププログラムを運営しています。
 
④コミュニティナース
4つ目はより専門的な領域におけるコーディネーターの事例です。ここ近年で注目度が高まっているコミュニティナースは、看護師資格を持った方が特定地域に入り、医療機関にかかれない人のケアや予防医療などを行います。また、そういった活動で得た情報を元に、自身が解決出来ない問題がある場合は、他の専門機関と情報共有をして解決を目指します。
 
この分野で人材育成を行っているのが、Community Nurse Company 株式会社さんです。コミュニティナースとして活動したい人の支援を行い、各地でコミュニティナースが活動できるバックアップを行っています。
 
⑤高校魅力化コーディネーター
最後にご紹介するのは、近年特に重要性が叫ばれている、高校魅力化コーディネーターです。各高校内に籍を置き、学校、現場の先生方、地域の方々をつなぎ、生徒さんにとって地域をフィールドにした学びを活性化する役割を担います。
 
この動きが生まれたのは、島根県海士町で行われている隠岐島前高校魅力化プロジェクトであり、その動きを全国的な動きにしていくべく、一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム島根県を中心に日本全国へその仕組みを展開しています。
 
 
「在り方」×「専門性」の組み合わせで行われるコーディネーターの仕事
以上が、僕がご紹介できる範囲でのコーディネーター的な業務や役割です。これらの職業は、いずれも多岐に渡るスキルや働き方がありますが、共通するものも多く含まれています。
 
中でも、前回のブログでご紹介した心構えや基本的なスキルは、すべてのコーディネーター的な役割に必要になっていきます。それらのベースを元に、行なう業務や対象にあわせてそれぞれが必要な「専門性」を駆使して、それぞれの業務にあたっています。
 
気仙沼でも現在、コーディネーター的な立ち位置の人の重要性が高まっており、そういったことが学べる研修プログラムなども徐々に行っています。そういった機会を通して、広くまちにとっての認知度と役割が広がっていくことを願っています。
 
※このブログに書いていくことは、完全に私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。